社会福祉法人 高知小鳩会

　私の生物的（食べて飲む）な糧を得る働きが、知的な障害によって生き辛さを持っている人の暮らしを支えることの一助になっていれば、それは私にとって精神的（心の豊かさ）な糧も得られていることになります。私だけでなく、福祉に携わる大勢の人たちもそのような人であると確信しています。

　私たち福祉に携わる者として常に持っていなければならないことは、“人を大切にする”気持と心です。しかし、いくら“人を大切にする”と強く思っていても相手にそのことが通じなければ意味を持ちません。

　相手が“大切にされている”と実感できるための具体として、優しく上手な生活の援助技術で接する私たちであることはもちろんのこと、所々に活けられた花の香りが漂い、よく掃除され清潔で整頓された居室、悪臭のない磨かれた便器のトイレ、歌の一つも出てくる楽しい毎日の入浴、陶器の器に盛られた冷たいものは冷たく、温かいものは温かくておいしい食事、そして太陽の匂いのお布団など生活環境を整える営みを不断に行い、そして、彼らが穏やかに天命を全うするときに枕元に寄り添うことが使命だと考えています。